都市交通の課題をシミュレーションで変革

May Mobility (以下、May) は、自動運転による交通手段を通じてより良い生活の実現を目指しています。自動運転システムによって、交通機関がより安全、公平、持続可能、アクセスしやすくなり、より良い土地利用が促進されて、より緑豊かで活気のある住みやすい空間が実現することを目標としています
ミシガン州アナーバー市
本社
2017
設立
300+
従業員数(2023年)
“Mayを始めて間もない頃、私たちは難しい決断を迫られました。シミュレーションのインフラを自社で構築するのか、それともAppliedのような企業と提携するのか。

Appliedと組むことで、Mayがエンジニアリングの時間を確保し、より優れた自動運転機能を構築できるようになりました。”
Edwin Olson 氏
共同創立者兼CEO
目標
May Mobilityは、公共交通機関を補完し、安全で持続可能な共有モビリティ・ソリューションを提供するため、米国と日本で自動運転型のマイクロトランジット・サービスを展開しています。現在、同社の自動運転車はオペレーターが同乗していますが、将来的には地理的な範囲を拡大した完全自動運転車の配備を目指しています。

また、乗車される方の安全と快適性を最優先に考えています。自動運転システム開発のビジョンを達成するために、May では以下のような開発領域に注力しています。
ソフトウェア開発を加速する: パフォーマンスの問題を即座に解決し、Mayの開発サイクルを早める。
配備前にリグレッションをキャッチする:コード変更が量産車両に配備される前に、ソフトウェアのリグレッションを特定する。
アクティブフリートラーニング: 現場で発生した異常を開発・検証のためのテストケースにすることで、自動運転機能の改善を継続する。
ミシガン州グランドラピッズで操業するMay Mobility
“誰かがMayのレポジトリで新しいコードをコミットすると、必ずシミュレーションテストが実行されます。シミュレーションで最初のテストセットを行えることは、大きなアドバンテージです。”
Niraj Patel 氏
ソフトウェアエンジニア
アプローチ
Mayは、同社の自動運転技術の安全性、快適性、性能のテストに、より俊敏性と効率性を持たせために、Applied Intuitionと提携しました。
Appliedの再シミュレーションプラットフォーム Logstream により、Mayはセーフティドライバーが車両の制御を引き継いだ際の、実際の状況を再現することができます。
シミュレーションフライホイール: AppliedによるMayの機能要求のリリースのサポートにより、シミュレーションフライホイール(開発チームがシナリオ、テストケース、継続的インテグレーション(CI)テストを多く実施するほど、開発が高速化し、リグレッションが少なくなるテスト駆動型アプローチ)が実現しました。
安全性とサービス利用者の快適性をテスト: AppliedのシミュレータSimianにより、Mayは仮想シナリオでソフトウェアをテストし、車両が安全に走行し、サービス利用者の快適性に関する特定の基準を満たすことを確認できます。
ソフトウェアアップデート前のソークテストをなくす: シミュレーションベースのアプローチは、現実世界の路上で行われる従来の長いソークテストに取って代わるものです。Mayのチームは、さまざまなシナリオを迅速に作成し、ソフトウェアのアップデートを行う前に安全性を確認することができます。
走行データの自動評価: Mayは、車両が収集した数時間のドライブログから、異常やその他の注目すべきイベントをプログラムによって見つけることができます。そして、これらの事象をLogstreamで再シミュレーションするためのテストケースに変換することができます。
継続的な開発: AppliedのCIプラットフォームOrbisにより、Mayは新しいソフトウェアを配備する前に自動運転ソフトウェアのリグレッションを特定し、根本原因を突き止めることができます
より早い新機能の開発: Simianは、より迅速なアルゴリズム開発をサポートし、Mayはシナリオのデータベース上で妨害される右折などの新機能をテストすることができるようになりました
“Logstreamが便利なのは、自分たちのデータを再生して、再シミュレーションができるからです。車両が走行し、セイフティドライバーが介入した際に、もしドライバーが介入しなかったら、どうなっていたのか。Logstreamでその問いに答えることができます。”
Bryce Ready 氏
自動運転、シニアエンジニアリングマネージャー
効果
時間とリソースの節約
May Mobilityは、ソフトウェアをフリートへデプロイする前に、シミュレーションで自動的にリグレッションを検出することで、エンジニアリング時間を何時間も節約しています。
高品質なサービス利用者のユーザ体験
サービス利用者の快適性をテストし、現実世界ではなくシミュレーションでリグレッションを見つけることで、Mayはより質の高いサービス利用者の体験を実現することができました。
新しいODDへの拡張
Mayでは、開発サイクルにシミュレーションを取り入れた結果、新しい運行設計領域(ODD)への展開をより早く行うことができるようになりました。